今、ひよこの店にわら灰こんにゃくを出しています。1月いっぱいまであと4回は作りますが、一度に50個前後しか作れません。時間も労力も一般の田舎こんにゃくよりもかなりかかります。
わら灰こんにゃくは、次のような特徴があります。
①石灰を使っていないので、臭味やくせがない。
②ざらざらしておらず、ぷりぷりもちもちした食感で、わらび餅のようにきな粉をまぶしても食べられる。
③味がしみこみやすいが、加熱した時は硬くなるので、おでんには不向き。冷めたらやわらかくなるので刺身や煮しめに向いている。
④市販のこんにゃくのように日持ちしない。
作り方は、
①芋の芽のまわりを取り除き、皮をむく。
②芋1kgについて、灰汁4リットル準備する。灰汁の濃度が薄い時があるので、保険として、炭酸カリウム(灰汁の主成分です)を少し補充する。
③灰汁の中で、一番目が細かいおろし金で芋をすり下ろしてのりを作る。この時、のりを何度もかき混ぜます。一番しんどい作業です。のりを均一にするのときめ細かなこんにゃくを作るためです。荒いおろし金ではきめ細かなこんにゃくはできません。また、ミキサーでもできません。昔は、すり鉢ですっていたそうです。芋をゆでてからミキサーにかける方法ではもちもちぷりぷり感をだすことは難しいそうです。(チャレンジしたことはありません。)
④のりが重たくなったらするのをやめ、しゃもじで10分間くらいかきまぜる。芋をすっていくうちにかき混ぜるのが重くなります。慣れればどこでやめるか分かるようになります。芋が余っていたら灰汁を補充して使い切ります。
⑤のりが落ち着くまで4時間以上置く。この間に、水とコンニャクのでんぷんがなじんでいきます。
⑥のりを湯飲み茶わんですくって手で丸め、熱湯に入れる。この時沸騰させるとのりがばらばらになるので、沸騰した水に冷水を注いで水温を下げてやります。
⑦丸めたのりが鍋の底にくっつかないように、でものりが壊れないようにしゃもしで熱湯を時々かき混ぜる。のりの表面が固まると浮いてきます。全部浮いたら沸騰させます。
⑧アクを取り除きながら30分沸騰させる。こんにゃくをしゃもじでたたいてボンボンとはね返すようになったら加熱をやめる。
⑨冷水に入れてあら熱をとるとともに、こんにゃくのアクも洗い流す。