俵山本田農園だより

地域の方に喜んで食べていただけるためのお米や野菜作りの記録です。「農家の知恵袋」「農家のレシピ」「地域のニュース」「メダカ」がお勧めです。

長門市の天然記念物「八王子山の樹叢」その1

青海島大橋を渡ったところにある王子山公園の下にある小さな岬にこの樹叢があります。民家の近くの山に生えている樹木はかつて燃料用に伐採されることが多かったので、多くが株立ちとなっていて大径木はほとんどありません。でもここは王子社の祠が祭られているので、祠のまわり以外は手つかずの原生林(極相林)となっています。

※2枚目の画像の地層について:白亜紀後期は日本は大陸と陸続きで、このあたりの日本海は大きな大きな湖でした。そこに激しい火山活動による大量の噴出物が2000m近くの厚さに堆積して阿武層群ができました。地質年代は約8600万年前とあります。長門市の北半分(俵山の北側も含む)は阿武層群が占めています。当時、地下から大量のマグマが噴出されて空洞となったために陥没して巨大なカルデラ(その一部は長門市から旧豊北町にかかる大きさ)ができたそうです。その後のマグマの貫入や地殻変動による隆起と波による浸食によって今の青海島ができたのです。この地層は青海島の高いところでも見られます。青海島はまさにジオパークと言えるレベルのもので、センザキッチンの隣から発着する青海島観光汽船から見えるのは、巨大カルデラの断面と、カルデラができたときのひび割れに貫入したマグマの跡なのです。観光汽船のガイドにそのような解説が加わるとよいと思います。

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仙崎から見た八王子山で葉が葉が落ちている(一部残っています)のがハマセンダンです。

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大泊側には大きく傾いた地層が見られます。これは白亜紀後期の堆積物による地層です。阿武層群青海累層とよばれる約8600万年前にできた地層の一部です。大地の隆起によって地層が傾いたのです。この地層は、青海島周辺の海底にも広く分布しています。

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上画像の地層が見える場所に金子みすゞさんの「大泊港」の詩のプレートが護岸のコンクリートにはめ込まれています。

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八王子山にある王子社の祠に上る階段の下にタブノキの枯れた巨大な株があります。そこから芽吹いた何本もの芽が大きな木に育っています。みすゞさんは子どもの時から大泊に何度も行かれたようなので、当時根回りが6m近くあったであろう大タブノキを「すごいなあ。」と見上げられたことだと思います。