青海島大橋を渡ったところにある王子山公園の下にある小さな岬にこの樹叢があります。民家の近くの山に生えている樹木はかつて燃料用に伐採されることが多かったので、多くが株立ちとなっていて大径木はほとんどありません。でもここは王子社の祠が祭られているので、祠のまわり以外は手つかずの原生林(極相林)となっています。
※2枚目の画像の地層について:白亜紀後期は日本は大陸と陸続きで、このあたりの日本海は大きな大きな湖でした。そこに激しい火山活動による大量の噴出物が2000m近くの厚さに堆積して阿武層群ができました。地質年代は約8600万年前とあります。長門市の北半分(俵山の北側も含む)は阿武層群が占めています。当時、地下から大量のマグマが噴出されて空洞となったために陥没して巨大なカルデラ(その一部は長門市から旧豊北町にかかる大きさ)ができたそうです。その後のマグマの貫入や地殻変動による隆起と波による浸食によって今の青海島ができたのです。この地層は青海島の高いところでも見られます。青海島はまさにジオパークと言えるレベルのもので、センザキッチンの隣から発着する青海島観光汽船から見えるのは、巨大カルデラの断面と、カルデラができたときのひび割れに貫入したマグマの跡なのです。観光汽船のガイドにそのような解説が加わるとよいと思います。